大学生の皆さんへ 社会との接点を多くもつことで、就職活動は上手くいく!

プロフィール

1992年、外資系IT企業(日本オラクル)に入社。直販営業、アライアンス営業、HRビジネス開発、人事採用など11年間にわたり数々の業務を経験した後、IT業界から活躍のフィールドを人材・教育業界に移し、現在はキャリアコンサルタントとして、大学生のキャリア形成支援プログラムの開発や大学でのキャリア教育科目の担当講師として活躍中。 

2019年卒業予定の学生の就職活動はこうなる!

 ここ3年ほど就活戦線は学生優位の売り手市場だと言われています。また、企業によるインターンシップの実施も増え、インターンシップに参加する学生も大幅に増えています。2019卒学生の就職活動はどのようになると思いますか?

上江● 今から3年前、大学生の就職活動の早期化を是正するために、日本政府と経済3団体の申し合わせによって、企業の新卒採用スケジュールが見直され、広報活動や学生からのエントリー受付は3月からスタート、選考開始は8月から(現在は6月から)というスケジュールになりました。ただ、実際は、6月よりも前から多くの企業は採用選考を始めていて、年々就職活動の期間が短縮化される傾向にあるようです。

 ちょうど就職活動を終えたばかりの2018卒学生の場合も、企業は実質2月から(以下のような例もあると聞きます。外資系企業やベンチャー企業、コンサル業界や一部マスコミや大手金融機関は8月、または、9月から!?)広報活動を行い、6月の選考開始より1ヶ月以上も早く選考をスタートさせ、5月1日時点ではすでに34.8%の学生が内々定を得ている(リクルートキャリア調べ)という状況にもなりました。このように関係者間で取り決めたスケジュールよりも前倒しで採用活動が進められてきました。また、業界研究セミナーや1日仕事体験、業界勉強会と称した短期間でのインターンシップを実施する企業が増え、これが実質的な採用活動の一つになったことで、2019卒学生のスケジュールも昨年以上に前倒しで進められていくものと思われます。

 2019卒学生の新卒採用スケジュールは、基本的に昨年と同様の動きになると思いますが、夏から秋、冬にかけてたくさんのインターンシップ(特に1dayインターンシップ等の短期間のもの)が多数開催される見込みで、昨年よりも早いタイミングでの実質的な広報活動、エントリー受付がスタートしそうな勢いです。そして、4〜5月には選考活動のピークを迎え、就活の早期化、短縮化といった流れは止まりそうもありません。

 企業の好業績や人手不足を背景に、企業の採用意欲は依然として高いままなので、学生優位の売り手市場はしばらく続く見通しです。とりわけ、建設業や流通サービス業といった一部の業界や、中小企業での人手不足が際立っている状況です。

自分の人生は自分で決める。当たり前のことなのに・・・。

 なるほど。就職活動期間はどんどん短くなり、かつどんどん前倒しされていく傾向なのですね。まだ主だった就活準備を始めていない3年生の中には、どう動き出せばいいのかと不安を抱えている人も少なくないようです。また、1・2年生にとっても、就活を意識して今のうちから何をしておけばいいのかと焦っている人も多いと思います。どのような心構えで就活と向き合えばよいのでしょうか?

上江● ここ数年、就職活動を意識し始めた学生から、次のような質問をよく受けるようになってきました。

  • 就職活動は、いつ頃から始めればいいですか?
  • インターンシップには行った方がいいですか?
  • 就職活動に向けて、今のうちにやっておいた方がいいことはありますか?
  • 何か資格を取っておいた方がいいですか?
  • 失敗しないコツや、上手くいく方法はありますか?

勉強風景

 いま、この特集記事をご覧の皆さんも就職活動に対して、同じような疑問や漠然とした不安を抱えている人も多いのではないでしょうか? 誰だって初めてのことに挑戦する時には不安な気持ちになります。ましてや、準備がままならなかったり、情報が不足していたりすると、不安な気持ちはどんどん大きなものになっていきます。そして、不安が大きくなればなるほど、何から始めればいいのかわからなくなって、前に進めなくなってしまうのです。

 ですから、そうなる前に少しずつでもいいので就活本番に向け「準備をしておくこと」、また、情報不足による不安を解消するために「知る努力を怠らないこと」、そして、誰かに答えを求めるのではなく、「自分で答えを探し出すこと」を放棄しないようにしてほしいと思っています。

 実は、就職活動に臨む上で、学生には二 つの大きな試練が待っています。学生から社会人へとステップアップするための壁とでも言いましょうか。一つは、就職活動に必勝法はなく、これをやっておけば大丈夫!という“正解がない"こと。そして、もう一つは、待っていても何も起こらず、“自分から動き出さないと何も始まらない"ということ。この“正解がないこと"と“自分から動き出すこと"に戸惑ってしまい、なかなか前に進めず、「就職活動は正直しんどい」とか、「何をすればいいのか全然わからない」とか、「就活なんて全然楽しくない」というように、就活に対してネガティブなイメージを抱く学生が本当に多いのです。

 これから先、どういう人生を歩みたいのか、どういう仕事に就きたいのかはひとり一人違いますよね。ですから、進路選択するときの判断基準も人それぞれだし、就職活動のやり方だって本来ひとり一人違って当然なのです。みんなと同じことをしていればひとまず安心なのかもしれませんが、それであなたの就活が上手くいくわけではないのです。就職活動では、これから大きく飛躍していきそうな技術や事業、商品・サービスなど、ワクワクする面白い話がたくさん聞けます。また、今までに出会ったことのない、将来の目標になるようなキラキラした大人たちにもたくさん出会えます。本来就職活動は将来の自分をイメージしながらワクワクした気持ちで行うものなのですが、最初の一歩でつまずいてしまっている学生が多いのです。さあ、そろそろ覚悟を決めて、自分の人生は自分でしっかり考え、自分の道は自分で切り拓くことを放棄しないように、主体的に動き出してくださいね。

社会との接点をたくさん持つ!

 とは言え、将来何をしたいのか正直よくわからない、やりたいことがなかなか見つけられないという悩みを持つ学生も実際にはたくさんいますが、このような学生に対して何か有効な手段やアドバイスはありますか?

上江●「宝くじも買わなきゃ当たらない!」と、ジャンボ宝くじの発売に合わせてテレビCMでよく流れてきますが、自分の進路・キャリアも“知らなきゃ選べない"のです。多くの学生がよく言う、「将来何をしたいのかわからない」、「やりたいことが見つからない」というこの二大モヤモヤの原因は、実は単純で、世の中のこと、業界のこと、企業やその他組織・団体のこと、職種のこと、仕事のこと、働くことの楽しさ・辛さ、仕事のやりがいについて、単に知らないだけ! だと、私はそう思っています。

 当然と言えば、当然なのかもしれません。なにしろ世の中には数えきれないほどたくさんの種類の仕事があり、それを行う企業・団体も無数に存在し、仕事のやりがいや厳しさ、職場における人間関係、仕事の達成感や悔しさなど、これまでの学校教育の中では詳しく教えてもらったことがないわけですからね。また、実際いま働いている社会人たちでさえ、本当にいま自分がやりたいことをやっているのか、将来やりたいことに向けて準備している最中なのかと問われても、「よくわからない」と答えてしまう人、実はかなりの数いるのも確かです。可もなく不可もなく、何となく惰性で日々を過ごしている、そんな社会人がかなりいる現状ですから、なかなか目指すべき目標が定まらないのも無理はありません。だからといって、安心していいというわけではありませんよ。将来やりたいことを見つけるためにも、皆さんには“知るための努力"を怠らないでほしいと思っています。

 ただ、手軽に情報収集できるネットからの情報入手は、知識ベースを増やすという点では否定しませんが、勝手な印象やイメージだけが先行してしまい、実際の仕事内容や企業の実態を誤解してしまう恐れが大いにありますので、ネットだけに頼るのはあまりオススメしません。ネットで流れている情報はその真偽が定かではなく、嘘や誤った情報に振り回されてしまうことも多々あります。ですから、面倒ではありますが、「知るための努力」として一番のオススメ手段は、とにかく“たくさんの社会人に会いに行く"ことです。実際に会って話を聞けば、本当かどうか、信じられるかどうか判断ができます。もしくは、アルバイトやインターンシップなどを通して“実際の職場、仕事の現場に出かけてみる"ことです。自分で経験したこと、体感したことは、嘘偽りのない事実ですからね。

 学校の勉強やゼミ・研究活動で忙しくてなかなか時間がとれない人や、就職活動までまだ時間がある1・2年生は、工場見学会や職場訪問イベント、または大きなイベント会場で開催されるビジネスショーの見学など、1〜2日だけでもいいので、時間を見つけて行ってみてください。可能な限り社会との接点を作りましょう。また、夏休みや春休み、年末年始休みなど、まとまった時間がとれる時には、非日常体験(旅行、留学、ボランティア活動など)をして、いろいろなことを考えるきっかけにしてください。自分の中の好奇心を刺激するには、ネットサーフィンではなく、“行動すること"が最も効果的なのです。

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