新卒採用に強い人事・組織コンサルタントとして活躍され、若者の働き方、大学生の現状についての著書も多い常見陽平さんに、1、2年生に向けた大学生活へのアドバイスをうかがいました。

常見陽平さん プロフィール

社会は、君たち、若者に期待している!

――最近の就職活動の状況は、いかがでしょうか。

よく「就活は運だ、縁だ」と言われますが、それは年によって求人が良かったり悪かったりすることにもよるかもしれませんね。たとえば、今の3、4年生が就活する1、2年後は上向きそうだと言えますが、その後の1、2年生の場合、つまり3、4年後はどうなるのか…、未知数ですからね。
ただ、長期的にみると若年層は減っているので、求人倍率はほぼ1倍を超えているのも、また事実です。
さらに、最新の拙著「『就社志向』の研究」でも触れましたが、リーマンショックの後、就職はボロボロになったと言われていますが、実は、2000年代前半の方が大変だったのです。採用を止めた企業もありましたから。むしろ、最近の方が、企業は継続的に採用活動を行っているんです、たとえ人数を減らしていてもね。
つまり、若者を採用することが大事なのだと考えているわけで、社会が若者に期待しているのです。もちろん基本的に、新入社員への期待値は高いものですが、その期待は、これから、どんどん高くなっていくでしょう。
そこで、求められるのが「大学時代に何をしたのか」ということ。黙っていて何もしなくても就職できるわけじゃないし、また逆に、就活だけをしてきた学生も企業は必要としないのです。

学生時代に、社会で生き抜くためのスキルを身につける。

――どうしても就活のことを意識してしまいがちですが、そもそも、大学とは勉強をする場ですよね。

そうですね。勉強する場なのですが、まず、学生時代とは、社会で生き抜いていくためのスキルを身につける時代なのだととらえてほしいのです。就活をするための場ではない。「社会に出ること」を意識してください。世の中のことに関心を持って、さまざまな事柄に対して「なぜ」なのか自分で考えてほしいですね。
そのためにも、しっかり勉強をすることが大切なのです。
最近は、企業側も勉強重視のところが増えています。具体的に、成績表を提出させるところもあります。
なぜかというと、学生は自分をアピールするために、さまざまな対策を立てて、どうしても自分の得意なこと、好きなことしか言いません。でも、社会に出ると、好き嫌いではなく、仕事としてやらなければならないことがたくさんあるわけです。企業は成績表から、その学生が苦手な科目をいかに克服したかなど、さまざまなことを読み取るのです。

――大学での勉強は、高校までの勉強とは違ってきますね

高校との大きな違いは、知識が与えられるのをただ待っているのではなく、自分で興味、関心を作っていかなければならないことです。大学での勉強とは、「自分で勉強していく」ものなのです。
高校までは、答えや答えを出す方法を教えてもらうものだった。でも、大学では、その答えや方法が真実なのか、実は、まったく別の答えもあるのではないか、などと自分で問いを立てて、調べていくことが勉強なのです。
世の中は、必ずしも本当のことだけで成り立っているわけじゃない。たとえば、ある出来事を新聞で読むときに、一紙だけでなく、二紙、三紙で読み比べてみてください。微妙に視点が違うことがわかってくると思います。事実を伝える新聞でも、実はそれぞれの書き方、伝え方が異なっているのです。
それはなぜなんだろうか。世の中にある、いろんな不思議をどんどん探して、なぜなんだろうと考えてみてください。

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