英語落語を通してあらためて知る 日本文化

『落語のおもしろさを“英語"で伝えたい』
7年前から英語落語を披露しているECC外語学院講師の村田豊実(Tommy)先生。伝統的な落語の噺を自ら英語に翻訳して演じています。Tommy先生が引き込まれた英語落語の魅力などについてうかがいました。

英語落語で日本の文化を見直す

――英語落語を始めたきっかけは?

英語落語で日本の文化を見直す

落語は子どもの頃から大好きで、ラジオで「寿限無(じゅげむ)」を何度も聞いて、何度も書いて覚えたりしました。
その後、英語でディスカッションをする時に、自分たちの文化的背景、つまり日本のことを実はよく知らないことに気づいたんです。そこで、何か日本文化に触れてみようと、まずは、俳句を始めました。New Year's resolution(新年の誓い)ということで、一日一句、365日必ず作ろうと思い、電車の中で作りました。さらに翌年は短歌に挑戦しました。
こうして2年終えて、次は「昔から好きだった落語を覚えよう!」と、日本語で「鉄砲勇助」という噺を覚えたんです。ところが、せっかく覚えても、すぐ忘れてしまう(笑)。忘れないようにするためには発表しないといけない。日本語じゃなくて、じゃあ英語にしてみたらどうだろうと、英語落語を始めたわけです。7年ほど前のことでした。早速、生徒さんの前で発表させてもらい、みんなが結構笑ってくれて、とても嬉しかったですね。

――江戸時代から続いている落語。日本文化について新しい発見はありましたか。

たくさんありましたよ。たとえば、落語の登場人物には文字を読み書きできない人物がたくさん出てくるけれど、調べてみると、実は江戸時代の日本人の識字率はかなり高かったんです。これにはびっくりしました。
他にも伊勢詣りの噺がよく出てきますが、ものすごい旅費がかかったにも関わらず、多くの人が一生に一度や二度、その旅を楽しんでいたとは、すごいことですよね。江戸時代の人たちは着物を何度も縫い直して孫の代まで伝えるとか、生ゴミを飼料にするなど、つつましやかな暮らしをしていながら、貯まったお金で旅をして楽しんでいた。心豊かな時代だったんだなとよく分かりました。歴史の授業では習わなかったようなことが、落語をきっかけにいろいろと学べましたね。

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作る苦労を乗り越えて得る喜び

――英語落語によって、日本の「昔」から「今」を見つめられるわけですね。そうした日本人共通の価値観のようなものを英語で伝える上でいろいろ苦労されたのでは?

作る苦労を乗り越えて得る喜び

文化的に日本に根付いた独特なものや、ダジャレでオチがつけられているものは翻訳が難しいです。
たとえば、落語の魅力の一つに「言い立て」という一つの長いセリフを延々と話すものがあります。「寿限無」とか「こんにゃく問答」など。言いにくい長いセリフを、立て板に水のごとくスラスラと言えないと、お客さんに面白さが伝わりません。日本人のお客さんにとっては、そのセリフの意味はわからなくても、なんか難しいことを延々と言ってると分かれば、それでいいんです。でも英語でそのまま翻訳はできないので、どうすればいいのか、かなり悩みましたね。何度も考え直して意訳して、何か難しいことを言っているなと思ってもらえるように工夫しました。

――お忙しい中でも何度も練習されるんですね。

お客さんは笑いを求めて来られるので、とにかく楽しく過ごしてもらいたい。どうすれば「より楽しく」「より面白く」聞いてもらえるのか、いつも考え抜きます。例えば、「こんにゃく問答」などは、セリフがスラスラ言えるようにかなり練習しますが、笑ってもらえた時の高揚感は何とも言えないものです。苦労も吹き飛びますよ。

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英語で伝えたい内容を持とう!

――「笑ってもらいたい」「伝えたい」そんなお気持ちがあるからこそ、英語での翻訳や話し方に、工夫されて練習を重ねることができるのですね。

そうなんです。英語など言語は、あくまでコミュニケーションツールです。このツールを習得するには、時間はかかりますが、ある程度習得したら、そのツールで伝える内容が大切になってきます。内容を持っている人が、英語でのコミニケーションをより楽しめるのです。
ビジネスシーンなら、報告や説明、ネゴシエーションしなきゃいけないこともある。相手を笑わせたいなというジョークでもそうだし(笑)。日本文化を外国人に伝えたいということでもいい。何か話したい内容があれば、ツールである英語を学ぶこともさほど苦にならなくなるものですよ。
TOEIC®Testで800点、900点を取るのは勉強すれば可能なことです。さらにコミュニケーションスキルを上げていくためには、自分の心の中にコンテンツ、内容を持っておく、それが大切です。自分がどんなことをしたいのか、それを相手に伝える喜びを感じてほしいですね。

――最後に、大学生の皆さんに向けて、英語を学ぶ上でアドバイスをお願いします。

どんなことでもいいんですが、自分の関心があること、そこから広げていくことも大事だと思いますね。一つのことからちょっと横を見てみれば、また新たな視野が広がっていくはずです。たとえば、大学で専攻して学んでいることと趣味がつながるかもしれない。接点を見つけていくことが、楽しさにつながっていくと思いますよ。

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ECC外語学院 講師 村田豊実(Tommy)先生

ECC外語学院での指導歴28年目のベテラン講師。英会話や英語資格の他にも、英会話専科では上級クラスの担任、ReadingやWriting、ディベートなど各種レッスンを担当。モットーは「苦しい時が上り坂」。ECCオープンスクエアでの「英語落語」のイベントでも数多く登壇。今後の目標は「落語など文化を通じて、日本の良さを世界に知ってもらうこと、英語講談にも挑戦したい」。

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