• HOME
  • > [特集]“知る”を“チカラ”に定番就活本 完全ガイド

[特集]“知る”を“チカラ”に定番就活本 完全ガイド

いよいよ就活シーズンが本格的に始まります。大学生協にはすでに2015年卒生向けの就活コーナーが設けられ、いろんな対策本が満載です。 ただ、そのなかで、企業研究に役立つ本はあまり多くありません。だからなのか、「学生は企業研究・業界研究をしていない」というのが、採用活動で企業側から寄せられる最大の不満になっています。 そこで今回は、企業情報に定評のある東洋経済新報社に話をうかがい、業界研究・企業研究本を徹底的に解剖してみました。東洋経済は『会社四季報 業界地図』や『就職四季報』などの就職本を発行し、昨年度、大学生協で、同社の就職本売り上げが前年比43%増という圧倒的な伸び率を記録しています。企業取材に明け暮れる四季報記者たちが書いた企業情報は、皆さんの会社選びにとって頼りがいのある指針となるでしょう。

  • 会社四季報 業界地図
  • 会社四季報
  • 就職四季報シリーズ
  • 東洋経済の就活本

就活の第一歩は企業を知ることから

いま最終学年を迎えている2014年卒生の就活状況には、厳しさが薄らぐ兆しがみえてきています。厚生労働省と文部科学省の調査による13年卒大学生の就職率(4月1日現在)は93・9%と、改善幅は0・3ポイントと小幅ながら、2年連続で改善。短大生の就職率は大学生を上回る94・7%と、1996年度の調査以来、最高となりました。各種の就職ナビが調査している就職内定率を見ても、昨年と比べ、複数の内々定を得て、就活を早期に終了する人が増えています。

それらの調査で強調されているのが、「複数の内々定を得た学生と未内定学生の差が広がっている」(マイナビ大学生就職内定率調査)傾向です。

未内定学生の多くが陥りやすいのが、就活の最初に自己分析をやりすぎ、その結果だけで自分に合っていると思われる会社を選ぶというもの。人は知っているものの中からしか、選ぶことはできません。どうしても志望動機の書きやすい、身近な製品を扱っている会社ばかりを受けることになってしまいます。そこには同じように考える人たちが集まり、ものすごい競争率になってしまいます。

過剰な口コミと〝似非リアル〟重視も問題です。就職するのに優良企業に入りたいのは当然です。ただ、コミュニティを重視する皆さんの「優良企業」の基準は、仲間に評価される会社、つまりテレビコマーシャルなどをやっていて、みんなが名前を知っている有名な会社、ということになってはいないでしょうか。

「似非リアル」とは造語ですが、根拠のないネット情報の氾濫によるものなのか、とにかく自分でじかに話を聞くことを「リアル」と感じ、疑いをもたず信じ込んでしまう傾向を表しています。たとえば、OB訪問で聞いた話は100%真実とはいえない場合もあります。会社の人や働き方について、意識せずとも多少のお化粧をするのは当然ですし、身分を明らかにしたうえで第三者に自分の会社の悪い面を指摘する人は、クビとまでは言いませんが、会社に居づらくなることは覚悟のうえでしょう。

知名度は高くなくても、優良企業はたくさんあります。OB・OG訪問は、情報収集の一つのツールでしかありません。就活のスタートにあたって、まずやってほしいのは、自分の手足を使って業界・企業情報を調べ、知っている企業を増やすこと。それにあたって、知っておいてほしいのは、情報の質の違いです。

情報には客観情報とそうでない情報がある

日々、情報の洪水にさらされている皆さんには、情報には2つの種類があると言ってもピンとこないかも知れません。

就職ナビなど就職情報の多くは、クライアントが存在し、クライアントが皆さんに「見せたい」情報だけを提供しています。ある会社が載っている場合に、就職ナビ提供の情報に見えますが、実際はクライアントである企業が発信した情報です。これに対し、東洋経済やその他の経済出版社、新聞・通信社などの有料媒体は、情報提供者自身が発信する「客観情報」であることが特徴で、ここに大きな価値があります。

近年、「ブラック企業」の存在が大きな注目を集めています。何をもってブラックとするのかは人によっても判断基準が異なりますが、「大企業」とか「上場企業」といったレッテルは、働きやすさとは関係がありません。会社に就職できたはよいが、後で泣くはめにならないように、客観情報で裏をとっておく必要があります。

客観情報だからこそ、情報が同一基準で並べられ、企業や業界間の比較が容易です。会社情報に限らず、情報は比べてみることで、自分の好みが明確になってきます。食べ物やファッションでもそうですよね。また、良い情報、悪い情報を両方とも自分にぶつけ、自分がどう感じるかによって企業を選んでいくこともできます。逆に、自分が「興味がもてる」と感じて選んだ会社のデータや事象を洗い出してみましょう。「年収が高い」、「トップシェア企業」といったことで構いません。今度はそのデータや事象から、自分の基準に当てはまる企業を拾っていくことで、最初は社名を知らなかった企業でも、興味が出てくるということがあります。

もう一つ、クライアントが発信する非客観情報には、固有名詞があまり出てこないという特徴が挙げられます。主要な取引先でも、その会社とだけ取引しているわけではないので、なかなか社名を出せません。すぐれた技術をもっていたり、シェアが高いとしても、「競合A社に比べて」といった社名を出すと、ことさらにA社を強調するようにも見られ、出すのは控えるのが通例です。

客観情報なら、こうした会社と会社の関係性が具体的な社名とともに出ていますから、たとえばパナソニックにしか興味がもてなかった人でも、パナソニックを販売相手に持っている部品メーカーや、意外な製品でパナソニックと競合しているニッチな会社など、「業界地図」やビジネス誌などの客観情報を調べることで、興味のもてそうな会社が雪だるま式に増えていきます。

ネット情報の氾濫で、客観情報と非客観情報はなかなか見分けにくくなっていますが、ことに非客観情報のあふれている就職情報については、意識して、客観的・中立的な情報を取り入れていくことが、自分の知っている企業数を増やす最大のポイントだといえます。

就活満足度を高める一般向けビジネス情報

とはいえ、就活生向けにアレンジされている情報に比べ、『会社四季報』や「業界地図」は社会人も広く対象としている本なので、当然ながら内容も高度です。「とっつきが悪い」という感じは否めません。また、「情報は多ければ多いほうがよい」のだから、客観情報であろうとなかろうと、ともかく情報を集めるべきだと考える人もいるでしょう。

実は、「就職関連情報の利用数が多ければ、良い就職結果を得られるわけではない」という調査結果があります()。情報を多く集めても、なかには質の悪い情報が含まれていたり、質の良い情報でも上手に活用できでいない可能性があるというのです。むやみに多くの情報を集めるよりも、その質や利用方法が重要です。さらにこの調査では、ビジネス雑誌やIR情報などの一般向けビジネス情報を利用する人は、就職先への満足度や就活の自己採点といった主観的な就職結果でプラスの影響があるという結果も示されています。

とっつきが悪い客観情報、一般ビジネス情報ですが、ポイントをつかめば決して難しいものではありません。また、せっかく良質な情報が収録されていても、受け取る側にそれを読み取る力がなければ、意味のない文字の羅列になってしまいます。次のページからの個別レッスンで、「情報の質で差をつける」就活をスタートさせましょう。

「大学生の就職活動における情報活用の意義―大学4年生調査の分析―」日本キャリアデザイン学会『キャリアデザイン研究 Vol.7』

↑ページTOPへ戻る

  • 会社四季報 業界地図
  • 会社四季報
  • 就職四季報シリーズ
  • 東洋経済の就活本
  • HOME
  • > [特集]“知る”を“チカラ”に定番就活本 完全ガイド