スタディガイドマガジン「すたマガ!!」2010・春号
HOME 主要資格講座案内 資格試験スケジュール 検定試験スケジュール スクール別・資格講座取り扱い一覧
特集1:「失敗する就活」を「実りある就活」に! 特集2:なぜ、マニュアル本から脱出しなければならいのか! 特集3:合格に向けて“何を”すべき?公務員で“何が”できる? 企画:現役京大生のマナー講師 島村実希さんに直撃インタビュー
HOME > 特集2:脱! マニュアルのススメ なぜ、マニュアル本から脱出しなければならいのか!
なぜ、マニュアル本から脱出しなければならいのか!

2008年から読売新聞東京本社の総務局人事部次長として採用の責任者を務めている原田康久さんは、就活の学生に接することで知ったさまざま現状をまとめた「勝てるエントリーシート 負けない面接テクニック」を出版し、注目を集めています。
「マニュアル本から脱出しなければ、実りある就活はできない!」と語る原田さんの立命館大学での講演(2010年1月)をレポートしました。

原田 康久さん
原田 康久(はらだ やすひさ)

読売新聞東京本社 総務局人事部 次長。
1987年入社。自身の就職活動では、マスメディアを志望していたもののテレビ局、広告会社、新聞社など、志望会社を絞らずに活動。内定を得た読売新聞社に入社し、記者として活躍。東北総局、芸能部(現・文化部)、浦和(現・さいたま)支局、文化部、宣伝部を経て2008年から現職。手探りで就活に取り組む学生を支援したいと、2010年8月、著書『原田デスクのすべらない就活』(中央公論新社)を上梓。読売新聞で「原田デスクの必勝講座」も連載している。


ほとんどの就活生がマニュアル通りに自己アピール文を書いている!
 2008年から読売新聞東京本社の総務局人事部次長を務めています。皆さんが弊社にエントリーシートを送ったら、私がすべて目を通して審査します。そんな仕事を2年以上担当しています。
 採用の仕事に携わっている者として、まず、皆さんに知っていただきたいことがあります。それは、「多くの就活生が、マニュアル本を見てエントリーシートを書いている」という驚くべき事態です。なぜ、マニュアル本を見て書いていることがわるのか不思議ですか? 理由は簡単です。多くのエントリーシートが同じような言葉で、同じような手法で書かれているからです。そのため、まったく皆さんの個性が伝わらないという現況があります。
 読売新聞東京本社には、毎年、数千枚のエントリーシートが送られて来ます。私がその中から選ぶのは、マニュアル本を手本に書いていないことがわかる、つまり、マニュアル本に引っかかっていないエントリーシートを書いた人です。選ばなかった中には、ひょっとしたら良い個性の持ち主がいたかも知れないと思うからこそ今日は、「脱マニュアル本」をテーマとした大切な話をします。

「部活」「アルバイト」を書く人は63.9%。
同じ文章では勝てない!
原田 康久さん 想像してみてください。人気企業に送られて来るエントリーシートは何通あると思いますか? 先ほど弊社の話をしましたが、数千枚です。また、採用担当者は採用の仕事だけをしているのではありません。ほかの業務をしながら採用業務もやっています。当然、忙しい。超多忙です。さらに言えることは、採用のプロはいないということです。私は新聞記者としてはプロですが、採用のプロではありません。どこの会社にも営業や総務、会計のプロはいますが、採用のプロはいないのです。なぜなら採用の仕事は、誰もが2、3年の間だけ取り組む仕事だからです。要は素人です。ここでいえることは、必要以上に緊張する必要はないということです。
 次に想像してほしいのは、ライバルの存在です。自分以外の数千枚のエントリーシートを書いた人はライバルです。自分と企業の関係にしか目がいかないから、他の人も読んでいるであろうマニュアル本を手本にしてしまう。だから皆、同じ内容になる傾向があるということです。このようなことを前提として、マニュアル本を手本として書くエントリーシートが、なぜ良くないのかを検証しましょう。
 まず、「自己アピール」から。ここに100人の自己アピール文を集計したデータがあります。100人が何をアピールしたのかが一目でわかります。最も多かったのは「部活」で32.4%、2番目は「アルバイト」で31.5%、3番目は「ゼミ、学業に」11.7%、4番目は「海外経験」で5.4%。具体的なアピールがなかったのは5.4%。その他として挙げられるのは趣味や性格面でのアピールでした。ここからわかることは、アピールポイントの「部活」と「バイト」は、二大激戦地ということです。勘違いしないでほしいのは、「部活とアルバイトを書くな」ということではなく、「自分にしか書けないことを書け」ということ。本気で部活に取り組んだ人は書くべきです。ただし、1万人の就活生がいたら、3000人以上は部活とバイトについて書いていることを想像しながら。そう考えると、同じ書き方では埋もれてしまうことが、わかるでしょう?
 では、どのような書き方をすべきなのかについて。私自身のことを例に挙げます。実は私、全国クリントボール協会の会長を務めています。サッカーとゲートボールを組み合わせたような競技ですが、皆さん知りませんか? 知らない。そりゃそうです。私もやったことがない競技ですから。しかも国内、海外とも競技人口ゼロ(笑)。なぜならばエントリーシート講座のために、私が勝手につくった競技だから。でも協会はあります。私の頭の中に。何が言いたいかというと、「肩書きは実態がなくても書けてしまう」ということです。
 サッカー部で汗を流して心身共に成長をした人もいれば、飲み会みたいなサッカー部で遊んでいただけの人もいる。でも書面では同じサッカー部です。本気のサッカー部は部員が10人。練習が厳しいから。飲み会サッカー部は300人。だって楽しいだけだから、みんな辞めない。「サッカー部主将として10人をまとめた」「サッカー部主将として300人をまとめた」。実態がわからないと、300人まとめた方が実力があるように感じます。本当は遊んでいただけなのに。だから、肩書きではなく、本当にやったことを具体的に書くべきなのです。「サッカー部主将として弱いチームを負け知らずにした」とか「部の運営について大学と交渉した」など、具体的に書けば書くほどいい。
 各大学に50のクラブがあり、そこには5人の役員がいるとしましょう。約50万人の就活生の内、2人に1人は役員です。抽象的なことを書いてもアピールにはならないことがわかります。

バイトを通じて、「何を体験してどのように成長したのか」を具体的に書こう。
 次に「アルバイト」について。内訳は塾講師や家庭教師が8%です。1万人の内800人がやっている。この8%の人は、ほぼ同じストーリーといっても過言ではありません。信じられないほど「成績が振るわない子を受け持ち、不可能と言われていた学校に合格させた」というものばかりなのです。でも、企業が知りたいのは「教え子の成長ではなく、あなたの成長」です。「塾の経営に関わった」とか、バイトを通じてあなた自身が成長したエピソードを書いてください。
 次に、性格面のこと。100人中「バイタリティや行動力」は31人、「思いやり、やさしさ」は22人、「向上心」は12人、「忍耐力」9人、「積極性」9人など。大抵が「私は忍耐力があり、どんなことでも苦しいときも諦めずに最後までやり通してきました」などと書いている。ここで大事なのは、「私は○○がある」という言葉を使わないで、いかに性格面をアピールするか、ということなのです。
NEXT
ページTOPへ戻る

すたマガ!! HOMEへ戻る

HOME > 特集2:脱! マニュアルのススメ なぜ、マニュアル本から脱出しなければならいのか!