スタディガイドマガジン「すたマガ!!」2009・秋号
HOME 資格試験スケジュール 検定試験スケジュール 資格スクール・検定 店舗別・取扱い一覧表
特集1:坂本直文さんスペシャルインタビュー 書籍を就活に100%活用する方法 特集2:今、就活に求められるものは? 特集3:読んだ人から本当の就活が始まる! 企画:社会人になる前に取得しておくべき資格は? 企画:資格が就活に有利な理由
HOME > 特集2:今、就活に求められるものは?
特集2 就活でベストを尽くす! 
今、就活に求められるものは?
大学生にとって、就活で良い結果を出すことは、人生に関わる大きなテーマです。長年、就活指導の勉強会などで就活の現場を体感してきた降矢一朋氏に、「今、就活に必要なもの」についてお聞きしました。 降矢一朋氏
降矢 一朋(ふるや かずとも)

ダイヤモンド・ビッグ&リード 大阪支社学生広報課所属。1964年、大阪市生まれ。87年、阪芸術大学芸術学部美術学科卒。中学校美術常勤講師などを経て、ダイヤモンド・ビッグ社入社。年間170本以上の就職ガイダンス講師や就職指導等の勉強会を実施、自社合同会社説明会講演、読売新聞社の学生応援サイト読売キャンパス・ランサーズ「ヨミティ」ミスター降矢の内定研究室コーナー担当。



「自分らしく」が就活の壁になっているという事実
毎年、どこの大学も、6割7割の学生が就職しています。このことは、就活でアクションが起こすことができずに良い結果が出せない学生も3、4割はいることを意味しています。
 私はこの時期に、さまざまな大学で、「どうしたら就活でアクションが起こせるか」といったテーマで、セミナーを開いています。大学に入学すると、低学年からキャリアデザインに取り組んでいますよね。なのに、なぜ、必要なときにアクションが起こせない学生がたくさんいるのかということについて考えてみました。数年前から世間では、「自分らしく」とか「自分らしさにこだわる」など、よく言いますでしょう。大学のキャリアデザインでも、「自分らしい夢を叶える」などと言いますが、もしかしたら、これが大きな壁になっているのではないかと、最近、感じます。「自分らしい仕事を見つけたら幸せになる」と周りが言うから、仕事を探す前に「自分」を探さなければ話が始まらない、となる。私はあえて、「自分らしい」という言葉は幻想だと言い切りますが、この幻想にとらわれてしまうと動けなくなります。重ねて、企業に話を聞きに行くといったことは、それまでの人生で経験がないため、どうしても躊躇してしまいます。そして、悩んでいるふりをして「自分探し」をしている間に時間だけが過ぎて、結局2月3月になる。種を蒔いていないから企業からの声も掛からない。選考にも残れない。そのままで終わってしまう学生が増えているのかも知れません。
確かに「自分らしさ」にこだわると答えが見つかりません。もともと答えがあるものではないですから。そんなアクションを起こせない学生に、アドバイスしていただけますか。
 大学のキャリアセンターや就職担当の人が、アクションが起こせない学生に、良い感じで動けている学生の具体的な行動を伝えてあげるのも、良い刺激になるかも知れないですよね。でも、話を聞いたからといって、いきなり「企業に話を聞きに行こう」と、アクションを起こせる人は本当に稀です。そのために、自分が動けるきっかけづくりとして、インターネットで検索してみる、本を読むなど、いろいろと糸口をつかむ方法があるわけです。3回生の夏休みから、実際にアクションを起こす12月までの間に、インターネットや本を読んで準備しておいて、企業の説明会などに上手につなぐことができたら良いと思います。


本を読む、検索する、資格を取る。全部やるから意味がある。
本を読む場合、どのような本を読めばいいのでしょうか。本を読むだけは、良い結果は出ないですよね。他に資格を取るなど、さまざまな方法もあるかと思います。
降矢一朋氏
 今、脳科学がブームですよね。脳を活性化させるスキルということで、さまざまなゲームなどが紹介されていますが、専門家は口を揃えて「あれは無駄」と言っています。例えば、AとBのどちらが良いですかというときは、両方やるのが脳の発達には一番良いらしい。ということは、本も読まなければダメだし、人にも会う、成長するためには努力もしなければダメ。これらをまんべんなくして初めて、脳は発達するんです。就活も同じです。本を読むだけ。資格を取るだけ。話を聞くだけでは良い結果は望めないということです。とはいえ、今の学生は、本を読む量が圧倒的に少ない。「学んで生きる」と書く「学生」なのに、本を読まない。何をしているの?と言いたい。私は、毎日忙しいですが、一日一冊本読んでいます。本を読むから、人と会ったときに話題に困らないし、興味が広がる。「次はこの本。この分野」と展開する。本を読まないということは、そこの部分が欠落すると思うんです。
「必要なことは全部やるべき」ということですね。では、インターネットについては、どのようにお考えですか。
 インターネットは、検索ワードを入力すると、情報が山ほど出てきます。便利だけれど、情報を入手するために、検索ワードを手軽に入力すれば良いということそのものが一番の問題です。もし、これが本だったら、一個のキーワードに相当するのが、一冊の本のテーマですがから、全ページ読むことになる。本を読まずに、インターネットにばかり頼っていると、一つのキーワードから前後左右に広げて行って、マトリックスを作っていくっていうような思考回路が欠落してくるように思います。
本を読まないことは、思考回路にも影響するということですね。
 そうです。私は昔から本好きだったので、人に会う前には、その方の著作を必ず読みます。それと同じで、企業に行くのであれば、その企業の背景や内容を調べてから行くのが当たり前ですよね。でも、今の学生の多くは、基本的に「知りたい」というレベルが低すぎると思います。もちろん就活ですから数多くの会社に行くので、すべての企業のことを事細かに調べるのは無理かもしれません。1回目の訪問のときは、新鮮さも大切にしようということで、大まかに調べる程度でもあったとしても、2回目も同じ姿勢で行ったら、企業の担当者はその学生に魅力を感じないと思います。1回会って少しでも話をしたのであれば、その話題から「こんなこと調べてきたんですよ!」という学生と、そうでない学生とどちらが人として魅力があると感じるのかということです。
企業について調べる手順で、参考になる方法を教えてください。
 学生は、行きたい企業があったとしても、業界のことを知らないわけですから、業界別に書かれた業界研究書のような本で、「いろんなことがあるんだな」と、ザッと見ることから始めます。今度は、業界の何に興味を持って、この企業に行くのかを明確にさせるために詳細に調べてみる。企業にはいろんな要素があります。例えば、「この会社のロゴマーク面白い」と思ったら、ロゴマークばかりを集めた本で、マークの由来などを調べる。ロゴマークには、企業理念や創業の由来など、いろんな意味が込められていますから、そこから知ることは、とてもたくさんあるわけです。また、経済学部の学生だったら、売上とか経営指標、株や投資という切り口で調べてみるのも面白いでしょう。そんなときは会社四季報も参考になるでしょうし。ただ、それだって、人に会うための基礎レベルであり常識部分。そこからどんな付加をつけるか、どんな話しができるかが、良い結果がでるか否かの分かれ道だと思います。もっと言うなら、ある企業のことを調べてみるとマトリックスが広がって、いろいろ調べて行く間に、心惹かれる企業に出会う、興味が持てる分野に出会うこともあるわけです。そうなると、就活そのものが楽しいものになるはずです。
昨年、ある大学で、少しでも興味が出たら出向いて行って、結局、100何社行った学生がいました。
 どうせ行くなら、100社行って、担当者に同じ質問を投げかけてみるのも良いと思います。返ってくる答えは一様ではないから、「働きたい」と思えるような答えを返してくれる企業を探すという方法もあるかと思います。
 私は、学生にアドバイスする際、「質問を一つ作ってみなさい」と言うことがあります。例えば、人事の人に「なぜ、この会社入ったんですか?」と聞いてみなさいと。きっと、いろんな答えが返ってくるでしょう。その返答の中で、自分が「あっ」と思ったら、そこからまたアクションを起こせばいいでしょう。何かを感じて、そこからアクションを起こすことが大切だと思うんです。
面接のときの受け答えも、大切ですね。
 面接のときだけでなく、相手の話を聞いたときに反応して、ちゃんと感想が言えるかどうかだと思います。お互いにそういうやりとりをして、会話が進んでいかないと意味がない。
 企業研修などでよくやるワークがあります。まず二人で、お互いに自己紹介をします。その後、大概は相手へのアドバイスということで、相手の悪いところとかを指摘してあげましょうという内容なのですが、私は、「悪いところの指摘は一切するな」と言います。人間なんだから悪いのがあるのは当然です。「良いところを褒めてあげてください」と言います。実はこれは、自分は相手のどこを良いと思って褒めているのかを知ることで、自分の良いところや、いつも意識していることを知るためのワークなんです。「相手の話し方が良い」と感じる人は、普段から自分の話し方に気を付けているはずなんです。そういうことから自己分析を深めて行って、自分の土台を固めて面接に備えることもできるでしょうし。
大学に入学してから就活を本格的に始める3回生までの間に、普段の生活の中で、自分の土台を固めるといいますか、良いところを伸ばすこともできますよね。
 できます。そのために、まずマナーや日本の礼法の本は読んでほしいですね。そのような本には、人に見られたときに自分の姿がきれいに見えるためにはどう振る舞うべきなのかということが書いてあります。相手のことを思いながら、自分をどのように自己表現するかということです。美しく見える振る舞いの基本がわかっていると、美しく振る舞うことが出来る人の気遣いや修練といった目に見えない「背景」が伝わってきます。それがわかるのと、わからないのとでは、人としての資質というかレベルの違いが格段にあると思いませんか?
その人の「背景を読む」ということは、文章を読んで、行間を読むということにつながりますね。
 そうです。思いが込められていることがわかる人と、わからない人の差は大きいですよ。それがわかる人は就活で良い結果も出るだろうし、将来、必ず良い仕事ができる人になると思います。


「欲」を出して動き続けることが「自分らしさ」につながる
インターネットなど、便利なものを使えば使うほど、降矢さんがおっしゃる「目に見えない背景にあるもの」に鈍感になっていくような気がします。
降矢一朋氏
 インターネットが普及すればするほど、「人と人のつながり」や「温かな思いやり」といったことが求められていると、思いませんか。
 「face to faceな対応」ということに対して、昔よりも価値観が上がって来ているのは事実です。インターネットで手軽に情報は入手できるけれど、大切なのは、それをどのように扱うかという人間の問題ですしね。そこで人としての資質が問われるわけです。
 また、面接で、自己PRをするのはなぜかと考えたことはありますか。ここで問われるのは、コミュニケーション力です。自分のことを一方的に話すのではダメ。相手のことを気遣いながら、それに対しての振舞いや応対をしながら、自己PRができなければいけません。
話は変わりますが、今、*SPIの本が人気です。
 
(*SPI… Syntheti(総合的な)Personality(性格・個性) Inventory(評価)の略語。個人の総合的理解を目的に開発された適性検査。多くの企業が人材採用の基準に用い、「職務遂行能力」「職場適応力」「自己適応力」を判定している)

 今、就活でSPIをやるのは当然です。それで「就活しています」と言うから話にならない。適性検査だけやっていれば突破できますというようなのは感心しません。実際に無理ですから。企業のことを調べて適性検査にも準備する。そんなことは、やって当たり前のことです。良い意味でもっと欲を出してほしいと思いますよ。
 社会に出てから伸びる人は、「もっと知りたい」「もっとやってみたい」と欲を出している人だと思います。私が今まで出会った人の中で、仕事できる人、面白い人は、いつも欲張ってやっている人です。

「欲を出す」ことが、就活で良い結果を出す秘訣ですね。欲張ると、アクションも起こさずにはいられないでしょうし。
 「欲張る」と言うと言葉が悪いですが(笑)、言葉を変えるとしたら「創意工夫」や「向上心」とでも言いますか。今、欲のない学生が多すぎる。「欲がない」というか、本当にテンションが低すぎるというか…。私だったら、興味があったら面識がない人でも躊躇せずに会いに行きますよ。欲を出して、毎日、本を読んで、私が述べた就活でやるべき努力をちゃんと続けてみてください。最初は、一冊の本を読み切るのはしんどいです。まず一冊読んでみてください。興味のある資格を取っても良いですよ。とにかくアクションを一つでいいから起こすこと。そこから自分が楽しく欲を出せることを見つけて、広げていくことです。そうしてアクションを起こすことが、結局、「自分らしさ」につながると思います。「自分らしさ」って欲張ってもっと知りたい、もっとやりたいと何か目的に向かって行動するその姿勢だと思います。その姿勢を見て人は評価するものですからぜひ行動してください。
ページTOPへ戻る

すたマガ!! HOMEへ戻る

HOME > 特集2:今、就活に求められるものは?